
【書誌情報】
【レーベル】 | スニーカー文庫(KADOKAWA) |
【著者】 | 【著者】穂積 潜 |
【イラスト】 | きただりょうま |
【ジャンル】 | 恋愛・日常・サスペンス |
【あらすじ】
「ここはどこだ?」
目を覚ますと見知らぬ天井、あたりに一切の明かりはなく、首には――首輪と鎖!?
版元ドットコムより引用
ふいに灯る部屋の電灯。そこにいたのは包丁を携えた女子高生。
JKと漫画家、二人の監禁ライフが幕を開ける!
【作品解説】
SNSで連載された漫画の小説化作品
本作は、イラストを手がける漫画家「きただりょうま」先生がTwitter上で掲載されていた漫画がモチーフとなった小説化作品となっています。
———————♢♢
ボツ続きでスランプに陥っていた漫画家の主人公がある日ふと目を覚ますと、首には鎖が繋がれ暗がりの部屋に監禁されていた。
そして目の前に現れたのは、包丁を持ち黒マスクをつけた制服姿の女子高生だった……。
———————♢♢
という衝撃展開から始まるのが特徴的です。
物語の終着点が全く予想できない本作は果たしてどんな物語なのか。
Twitter連載されていた作品をリアルタイムで追っていた私が、元掲載作品との違いについても比較しながら、本作の魅力について今回はご紹介していければと思います。
挫折や不安、そして依存。歪んだ感情渦巻く恋愛日常サスペンス
本作は『監禁』という一見物騒なワードが物語の掴みとなっていますが、実は日常要素の方が強いんです。(これは、Twitter掲載版も小説版も同様です)
作品の表紙やタイトル的に重い話なんじゃないかと心配に思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、案外そんなこともなく比較的気軽に読むことができますので安心してください。
さて、まずはざっくりと本作の内容を解説すると、本作は
『ヤンデレ女子高生の監禁下に置かれた状態で、挫折をした漫画家が漫画を描く』
……といった内容です。本当です。
もう『監禁』という状況が状況なだけに何を言ってるのかわからないかと思いますが、本当にそんな話です。
『どうして彼女は漫画家を監禁するのか』
『どうして漫画家は監禁下で漫画を描かなければいけなくなったのか』
詳細については、ぜひ本作を読んでその目で確かめて見てください!
(↓さて、ここからはSNS掲載版との違いについて)
物語の本筋は大体一緒なのですが、物語後半はかなりSNS版とは変わっています。
作中内容についてはネタバレになるのでここでは言いませんが、SNS版では謎の多かった『登場人物の人物背景』について深掘りされて、小説版では書かれています。
『漫画家が挫折してしまった経緯』
『女子高生の正体や抱える悩み・監禁に至った経緯』などが細かく書かれていまして、SNS版の補足としても、本作単体としても十分に楽しめる作品なのではないかと個人的には思いました。
漫画からそのまま小説におこしたような作品も多い小説化作品の中でも、完成度は高く、私自身一ファンとしてもかなり満足のいく作品に仕上がっていると思いましたので、ぜひSNS版を読んだ方もそうでない方も読んでみてください!
【まとめ】
【作品内容の評価】
【作品傾向】

夢色しあんの個人的オススメ度:★★★★☆
【総評・レビュー】
【高評価ポイント】
・Twitter上で連載されていた作品内では描かれなかったエピソードも小説版では追加されており、元漫画を知っている方も知らない方も両方楽しめる点が良かった。
・サスペンス作品であり、日常作品。その物語のギャップ性とヒロイン女子高生の歪んだ愛と可愛さに気がつけば惹きつけられてしまう、尖りに尖り切った作品である点は唯一無二の作品。
【気になるポイント】
・小説版だと、主人公がSNS版と比べて若干女子高生のヒモ感が強くなっていまして、そこが少し好みが分かれるかも?
コメント