【ラノベ紹介】グッバイ宣言(ノベライズ)

【書誌情報】

レーベルMF文庫J(KADOKAWA)
著者【著者】三月みどり【原作・監修】Chinozo
イラストアルセチカ
ページ数264p
既刊1巻(2021年11月現在)
ジャンル青春劇・ボカロノベライズ

【あらすじ】

単位さえ落とさなきゃいいや、学校に行くのは最低限でも。
でもまあ、無難に勉強はして、普通に大学にも行って、なんとなくサラリーマンとかになって……。
家に籠ってゴロゴロしながら、そんなありきたりな未来を思い描いていた。
でも高校最後のあの春に、破天荒で天真爛漫で、そして誰よりも夢に向かって真っすぐなキミに出会い、染められてしまったんだ。

正反対のはずだった二人が出会い惹かれ合う。
恋と夢の実現という天秤で揺れる、二人の選択は――。

本当の自分自身と向き合い、うわべだらけの昨日にサヨナラを宣言し、青い春に狂い咲け!

版元ドットコムより引用

【作品解説】

大人気ボカロ楽曲『グッバイ宣言』のノベライズ作品

 ボカロのノベライズ作品といえば、皆さんはどんな作品を思い浮かべるでしょうか?

 ボカロのノベライズの全盛期といえば、今から数年ほど前。

 普段ラノベをあまり読まない層にまでラノベを浸透させた一大コンテンツこそボカロノベライズであり、その代表作といえば大ヒットを記録した『カゲロウデイズ』シリーズや『千本桜』などが挙げられるでしょう。文芸書サイズの作品も数多く出版されていました。

 私自身も、『カゲロウデイズ』シリーズは当時楽しく読まさせていただいていました中の一人でございます。

 そんなボカロノベライズ全盛期から数年ほど経過し、最近はあまり見ることがなくなっていたボカロノベライズ作品ですが、先日発売された『ベノム』を皮切りに、今回大人気ボカロ楽曲『グッバイ宣言』のノベライズがMF文庫Jより刊行されました!

 近年のボカロの中では異例の大ヒット・再生回数を叩き出した、ボカロ好きなら知らない人はいないだろう本楽曲のノベライズということもあり、皆さんからの期待度はかなり高いかと思われます。

 楽曲の魅力をさらに知りたい方々・普段あまりラノベを読まない方々にもお勧めしたいノベライズ作品。果たして本作はどのような作品なのか、詳しく見ていきましょう。

 

夢を見ることの大切さを再認識させてくれる作品

 ボカロPのChinozoさん監修のもと描かれる作品の舞台は、高校三年の新学期。

 夢を持たず、最低限の日数と単位を取得して普通に生きていくのだろうと考えていた少年・桐谷翔の目の前に現れたのは、いつも制服の上に校則違反のパーカーを着込む天真爛漫な少女・七瀬レナでした。

 性格も考え方も正反対な二人が出会い、最初は破天荒な彼女の行動に振り回される翔でしたが、ある日レナの語る壮大な夢を知ることによって、翔は凡庸にこれまで生きてきた自分を振り返り、夢を持って自分自身を自ら変えていく……といったお話となっています。

 

高校生という多感な時期に、小さい時に思い描いていた壮大な夢に現実を照らし合わせて夢を諦めてしまう……ということをしてほしくない

 

 そんな思いが込められた、青春ストーリーとなっていると私は本作を読んで思いました。

 楽曲を聴くだけではわからなかった、原作者さんの曲から伝えたかった強い思いをノベライズという形で感じ取ることのできる、よい作品に仕上がっていると思います。

 作中のとある場面では、例のあの独特なポーズも再現されており、思わずでてきた時にはニヤッとしてしまう、そんなファンの方々にとって楽しめる一面も用意されています。

 もちろん本楽曲をまだ聞いたことがない人にとっても、一つの青春ストーリーとして楽しめる作品となっていますので、ぜひ夢を現実を見て諦めてしまった経験のある方々、もしくは現在進行形で悩む高校生の皆さんにこそ読んでもらいたい作品だなと強く思いました。

【まとめ】

【作品内容の評価】

【作品傾向】

 読みやすさ★★★★☆

夢色しあんの個人的オススメ度

【総評・レビュー】

高評価ポイント

・著者・原作者の作中から伝えたい思いというものが明確であり、率直に想いの伝わる青春作品となっている点が好印象でした。進路に悩む中高生の皆さんに是非読んでもらいたい作品だなと思いました。

・ストーリー展開としては、癖のない安定した青春作品といった印象。特筆した展開というものはないものの、気軽に読み進めることができる点では高評価です。

気になるポイント

・少し話が急展開・ご都合主義がすぎる場面が多々あり、後半はページ数の関係かストーリーが駆け足気味になっているところがもったいないと感じました。

・作品内において、登場人物の設定を広げるだけ広げて回収しきれていない感が否めず、若干消化不良気味に感じました。楽曲の魅力の一片を浅く知るノベライズ作品としては申し分ないですが、一冊の小説作品としての完成度としてはかなり甘さが目立ちます
 ストーリーの内容・読者に伝えたいことは十分に伝わっていていいだけに、登場人物の設定周りでもう少し丁寧に描いて欲しかったと思わせる一冊でした。

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