【ラノベ紹介】変人のサラダボウル

【書誌情報】

レーベルガガガ文庫(小学館)
著者平坂読
イラストカントク
ISBN9784094530384
発売日2021年10月19日
ページ数296p
既刊1巻(2021年10月現在)
ジャンル群像劇・コメディ

【あらすじ】

異界の麒麟児、混迷の時代に笑顔をお届け!

貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。

なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。
一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。

前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。

平坂読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々登場!

版元ドットコムより引用

【作品解説】

平坂読節炸裂の完全新作は、岐阜が舞台の群像喜劇

 物語の舞台は、現代の岐阜。

 しがない探偵業を営む主人公の鏑矢惣助がある日出会ったのは、異世界から突然やってきた皇女であるサラ・ダ・オディンという名前の少女だった——。

 紆余曲折あり、惣助の営む探偵事務所に転がり込むことになったサラ。

 探偵と助手という形で同居することになった二人は、互いの個性を活かし、地方都市で起こる夫婦の不倫事実の立証やいじめ問題解決などに立ち向かっていく——というのが物語の本筋です。

※ちなみに、殺人事件に関わるとか、そういった物騒な事件・ミステリー性はないです。(一巻時点では)

 

 ですが、本作は探偵・推理がメインの物語かと言われればそうではありません。

 どちらかといえば、コメディ要素のある群像劇・群像喜劇と捉えていただければいいでしょう。

個性的な人物たち(変人)との関わり・関係性に要注目

 あくまで『探偵』という要素は物語を構成する上での主軸であり、本質はキャラクターにあると断言してもいいかと思います。

 パッとしない探偵、異世界の皇女、ホームレスの女騎士、鬼畜女弁護士、怪しい宗教の教祖などなど……あげればあげるだけ癖が強いキャラクター・変人ばかりいる作品です。

 そんな一見絡みがないかと思われる登場人物たちが邂逅するとき、どのような物語が展開されてくるのか。

 個性的なキャラクターたちとの不思議な出会い・関係性に重きを置いた物語の本作は、著者前作『妹さえいればいい。』のようなメッセージ性の強い作品が展開が予想されます。

 1巻作品内でも、いじめやホームレスといった現代における社会問題や、それぞれの登場人物が抱える挫折や悩み・劣等感などを繊細に取り上げている場面もあり、そういった陰鬱としがちな要素をコメディ要素を交えながらライトノベル調に仕上げた本作は、やはり著者のライトノベル作家としての力量を実感いたしましたし、読者に訴えかけるような強いメッセージ性すらも感じさせてくれました。

 とても平坂読先生らしい新作に仕上がっていると思います。

 今後の彼らが紡いでくれる物語の結末がどのようになってくるのか、展開が非常に楽しみな一冊です

【まとめ】

【作品内容の評価】

【作品傾向】

 読みやすさ:★★★★★

夢色しあんの個人的オススメ度:★

【総評・レビュー】

高評価ポイント

・著者作品特有の突き抜けた作品の読みやすさと、魅力あふれる登場人物が織りなす世界観は唯一無二の作品です。

・登場人物の中に、同著者ガガガ文庫連載の前作『妹さえいればいい。』に登場したキャラクターと名前や性格が類似する人物がでてくるなど、遊び心もある作品であり、これらはシリーズファンの方々にとっては非常に嬉しいポイントかと思います。

気になるポイント

・同著者ガガガ文庫連載の前作『妹さえいればいい。』同様、1巻に物語の進展はあまりなく、人物紹介に留めた構成になっているため続刊前提の作品です。
 1巻である程度完結した作品を読みたい方には向かない作品かと思います。
 今後の展開に注目していきたい作品です。

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