
【書誌情報】
【タイトル】 | 嘘と詐欺(ペテン)と異能学園 |
【レーベル】 | 電撃文庫 |
【著者】 | 野宮有 |
【イラスト】 | kakao |
【ISBN】 | 9784049136784 |
【発売日】 | 2021年7月9日 |
【ページ数】 | 360p |
【ジャンル】 | 頭脳戦・異能バトル |
【あらすじ】
国中から集まったエリート異能力者が日々熾烈な競争を繰り広げるハイベルク国立特異能力者養成学校。
版元ドットコムより引用
無能力者なのにもかかわらず入学試験を突破した天才詐欺師のジンは、〈災禍の女王〉と恐れられる少女・ニーナと出会う。実は彼女も、天才的な演技で周囲を騙し続けてきた無能力者だった。
お互いの秘密を共有した二人は、学園の頂点を目指すため共犯関係を結び、エリート異能力者たちを策略にハメていく――。
「俺とあんたが組めば、世界すら騙し通せる」
最強の嘘吐きたちがあなたを魅了する、究極の“騙し合い”エンターテインメント。
【作品解説】
頭脳戦×異能バトル作品
本作は『マッド・バレット・アンダーグラウンド』を書かれていた野宮有先生の新作作品で、頭脳戦×異能バトル作品となっています。
頭脳戦作品といえば、『ようこそ実力至上主義の教室へ』や『ライアー・ライアー』などでお馴染みのMF文庫Jが強いイメージがありますが、本作は電撃文庫からの刊行となります。
物語の舞台は、異能力者を育成する学園『ハイベルク国立特異能力者養成学校』。
この学校は、エリート異能力者で構成された国の特務機関である『白の騎士団』の候補生を育成することを目的とした学園です。
主人公である無能力者の詐欺師・ジン・キリハラは、とある目的を達成するために彼の特技である『嘘・策略』を用いてこの学園の頂点へ成り上がっていく——といった作品となっております。
無能力者が『嘘・策略』を用いて成り上がるという設定や、学園内のポジションが自身の保有する『ポイント』によって変わるという点は、頭脳戦系作品では比較的ありふれている設定ではあります。
ですが、本作の特徴として『無能力者同士でのタッグ要素』が挙げられます。
一人で勝ち進んでいくのではなく、もう一人の無能力者の少女・ニーナ・スティングレイと協力して勝ち進んでいくのです。
ジンはその天才的な頭脳を用いた策略で、ニーナは変装・変声といった欺きで、互いの長所を利用しながら読者すらも欺き通す怒涛の展開は、胸をアツくさせてくれること間違いないことでしょう。
若干気になった点といたしましては、『白の騎士団』という異能力者で構成されるという特務機関に関することがあまり書かれなかったことで、学園が創設された理由づけなど、物語を構成する舞台背景の設定に曖昧な点が見受けられたことでしょうか。
1巻は物語の序章にあたるのでまだ秘密や伏線は残しているのだと思いますが、最初の導入としてもう少し世界観の説明を丁寧に書いて欲しかった感はありました。
あとは、主人公がかっこよく思えるかという点でしょうか。
嘘などの話術を使って異能力者に勝つというために、ジンはバトル予定地に業者を呼んで細工を施したり情報収集をしたりと人一倍事前準備をするのですが、ここに主人公に対する小物感を覚えてしまう可能性があります。
堂々とした実力で勝つというより、どんな手を使ってでも勝つといった感じなので、結構好き嫌いは分かれてくるのかなぁとは思いました。
【まとめ】
【個人的作品傾向】

【こんなラノベ読みにおすすめ!】
・頭脳戦系作品が好きな人!
・底辺からの成り上がり系作品が好きな人!
コメント