
【書誌情報】
【タイトル】 | パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。 |
【レーベル】 | ガガガ文庫(小学館) |
【著者】 | 持崎湯葉 |
【イラスト】 | れい亜 |
【ISBN】 | 9784094530032 |
【発売日】 | 2021年5月18日 |
【あらすじ】
お隣JKと繰り広げる匂いフェチ系ラブコメ
残業帰りの会社員・梶野了は、女子高生がパパ活をしている決定的瞬間を目撃する。
版元ドットコムより引用
彼女には見覚えがあった。同じマンションに住むお隣の娘さん、香月乃亜である。
「親には言わないでください、なんでもしますから」そう懇願する彼女に梶野は、一つの要求をする。
「じゃあ、犬の散歩よろしく」
奇妙なきっかけから始まった二人の関係は、次第に親密になっていき–。
「カジさん、匂い……嗅いでもいいっすか?」
「なんで!?」
匂いフェチのパパ活JKと、お疲れサラリーマンが贈る、新感覚ドタバタラブコメディ堂々開幕!
【作品解説】
『サラリーマン×女子高生』のラブコメ作品
主人公の広告代理店に勤務するサラリーマン梶野了は、ある日、仕事帰りにお隣に住む女子高生・香月乃亜がパパ活をしている様子を目撃する。
(※パパ活→若い女性が男性と食事や外出などをして、金銭を得る活動のこと)
パパ活をしていたことを秘密にしてほしいと乃亜から懇願された梶野は、ある条件を乃亜に提示する。
それは、『犬の散歩をして欲しい』というものだった。
学校や家でも孤立をしていた乃亜にとって、『犬の散歩をしてほしい』という表向きの条件を提示して、自身の境遇を心配してくれた梶野との出会いは目覚ましいものであり、徐々に乃亜は彼の優しさに心惹かれていく。
それから乃亜は、毎日のように犬の散歩をするという表向きの用事のもと、梶野の家を出入りするようになる。そして、彼女のもう一つの一面が徐々に明らかになっていく。
それは、極度の匂いフェチであることだった——。
【おすすめポイント】
極度の匂いフェチである犬系女子高生との日常
本作ですが、主軸としては最近のラブコメ作品でよく見る『サラリーマン×JK』の構図となっています。
まぁ、とある事情を抱えた女子高生に大人の男性が指南するという、よく見る感じです。
そこまでなら他の作品と大差ないのですが、本作の特徴は何よりもヒロインのJK(女子高生)である乃亜の性癖にあります。
それは、極度の匂いフェチであること。
事あるごとに匂いを嗅ごうとする彼女は、少しだけ抜けていて、場合によっては若干の変態性さえも感じさせます()
その姿は、そう。
まるで、梶野と出会うきっかけとなった存在・ワンちゃん(犬)のようであり。。。
そんな犬系少女な女子高生・乃亜とサラリーマン・梶野の掛け合いというものは、非常に読者に対して微笑ましさを感じさせます。他の『サラリーマン×JK』ものの作品と差別化できていることは間違いないでしょう。
他の登場人物やライバルヒロインとの会話も非常にコミカルに描かれており、クスッと笑ってしまうようなそんなシーンも数多く盛り込まれていて、楽しく読める作品に仕上がっていると思います!
この作品だからこそできるコメディ要素を押し出した作風・強みを確立している、そう実感いたしました。
【好みの分かれるポイント】
やはり拭えない事案感・犯罪臭
まぁ『サラリーマン×JK』のラブコメ作品全部に言えることなので今更言うのもアレですが、どう足掻いてもやはり事案感・犯罪臭はどの作品も拭えませんよね。。。
さらに本作は、匂いフェチJKという超爆弾級の変態性をもつ子がヒロインということもあり、さらに危ない関係性で犯罪臭が増す結果に()
一応、作中で梶野の姪っ子の小学生・えみりちゃんが中盤で登場してからは、ある程度世間体も守られることになりますが、それでも……まぁ……ね? といった感じで()
フィクションだと割り切って読める人には大丈夫かと思いますが、そう言った点が気になると言う方には向かない作品・ジャンルであることは変わりないです。
補足というか別の話にはなりますが、『サラリーマン×JK』の組み合わせのラブコメって、今のラノベ業界的には人気ジャンルなんですかね……?
飛び抜けて売れたあのアニメ化作品(ひげ)以外、あんまり売れている印象はしないんですが、そこのところ、どうなんでしょう。。。?
【まとめ】
【作品内容評価】
【ストーリー】 | ★★★★☆ |
【キャラクター】 | ★★★★★ |
【独創性】 | ★★★☆☆ |
【読みやすさ】 | ★★★★★ |
【総合評価】
【ラノベ初心者おすすめ度】 | ★★★★★ |
【総合評価】 | ★★★★☆ |
『サラリーマン×JK』という同じテーマをもつ同系統の作品と比較して、特にコメディ部分に比重を置いていた作品となっており、非常にキャラクターの魅力が前面に出されたレベルの高い作品に仕上がっていると感じました。
時々挟まれる犬のタクトくんの心情描写には、第三者目線の視点が色濃く表れていて思わずクスりと笑わされました。とても面白かったです!
ヒロインも、そして二人の関係性をつなぐワンちゃんも可愛く描かれており、微笑ましい世界がとても羨ましくあり、幸せってこういうことをいうんだなぁとしみじみ感じさせてくれました。
よく見る似たような構図の作品だし、もうお腹いっぱいかな……と思っているそこのあなたにも、読んでもらいたい作品です!
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