
【書誌情報】
【タイトル】 | 編集長殺し |
【レーベル】 | ガガガ文庫(小学館) |
【著者】 | 川岸殴魚 |
【イラスト】 | クロ |
【ISBN】 | 9784094517149 |
【発売日】 | 2017年12月19日 |
【あらすじ】
これがギギギ文庫の日常、だよっ♪
私、川田桃香。ギギギ文庫一年目の新人編集者です!
カバーデザインに悩む今日この頃、編集長にデザイン案を見せにいったのですが……。「初版500部のオーラね」「なにこのヤ●チャみたいな戦闘力のカバーは」「やり直し。むしろ生まれ直し」
……ボロクソですっ!フルボッコとはまさにこのこと。
編集長は、見た目はたいへん可愛らしい幼女なのですが、中身は骨の髄まで真っ黒なドSロリなのです。
権力(校了)とお金(決済)を握られては、私たちはぜったいに勝てないのです。こんなときは、頼りになる先輩たちに相談するしかありません。きっと魅力的なカバーの秘訣を教えてくれるはずです――。
「とりあえず、あんたがモデルになりなよ」「体操服がいいと思うんよ」「顔はキリリと睨むのがいいかしらね」
――って、なんでですかっ!?
グチと笑いに満ちたお仕事るぽラノベ!と見せかけたGIGIGI文庫の闇を晒す告発本、ここに校了です!
版元ドットコムより引用
今日も元気にギギギっちゃお~♪(ギギギ……疑偽欺……)
【作品解説】
架空のラノベ編集部『ギギギ文庫編集部』を舞台に、全員美少女な編集者たちと超ドSロリな編集長が織りなす、出版業界の日常をコミカルに描いたお仕事もの作品。
主人公は、そんな美少女揃いの編集部に入ることになった新人編集者の川田さん。
作品の合間に挟まれる出版業界で扱われる専門用語の解説や、ライトノベルができるまでの過程・裏側を、登場人物を美少女化させることにより専門的に難しくなりすぎないバランスの取れたお仕事もの作品に仕上がっているのが特徴。
※登場人物のモチーフは、実際にいる某ガ◯ガ文庫の編集者とは違う人である……と信じたい。
……信じたい。 (編集者さんの名前似てるけど)
【おすすめポイント】
ラノベ編集部を全員美少女化させた、ラノベ業界の闇・告発ラノベ
(どんな強靭な精神力があったら、仕事関係者を美少女化させるという恐ろしいことができるのだろうか……)
これにつきるかと思います……。(ドン引き)
タイトルは『編集長殺し』とサスペンスやホラーともとれそうな、かなり物騒なタイトルの本作ですが、実際の中身はラノベ業界の裏側を赤裸々(本当の話かどうかは不明)を描いたお仕事もの作品です。
ただ、著者の川岸先生は当時の編集長さんに何か恨みでもあったのでしょうか……?
とはいいつつも、実際本作を読んでみれば編集者さんに対するヘイトを集めた恨みを込めたライトノベルかといえばそんなことはなく(※たぶん)、よいお仕事ものラノベに仕上がっています。
本が売れなければ問答無用で続刊を切られたり、完全実力至上主義であるところなど、作品を書いている作家さんや出版業界ならではの苦悩も描いており、普段私たちが楽しんで読んでいるラノベのもう一つの一面を知ることができます。
作中で出てくる編集者も、それぞれに個性があり、ゆるーっとした世界観のなかでお仕事ものラノベを読みたい方におすすめできる作品となっています。
【好みが分かれるポイント】
特になし。
【まとめ】
【作品内容評価】
【ストーリー】 | ★★★☆☆ |
【キャラクター】 | ★★★☆☆ |
【独創性】 | ★★★★★ |
【読みやすさ】 | ★★★★☆ |
【総合評価】
【ラノベ初心者おすすめ度】 | ★★★★☆ |
【総合評価】 | ★★★☆☆ |
特にこれといって特筆した点は少ない本作ですが、非常にバランスの取れたお仕事系ライトノベルだと思いました。
ゆるい雰囲気の物語を基盤と置きながらも、美少女化された編集者たちが日夜ライトノベルのために奮闘するという現実味にもあふれた世界観は、まさにライトノベル業界の裏側・闇を暴いた作品と言っていいことでしょう。
全体のページ数も少なめで、非常に読了しやすい作品です。
独創性や読みやすい物語性などを評価しまして、今回は『ラノベ初心者おすすめ度』を星4、『総合評価』を星3とさせていただきました。
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