【ラノベ感想】絶対にデレてはいけないツンデレ

書誌情報

著者神田夏生
イラストAちき
レーベル電撃文庫(KADOKAWA)
ISBN9784049135756

あらすじ

「勘違いしないでよね! あなたみたいな人、全然『好きじゃない』んだから!」
 そんな、一昔前に流行ったツンデレヒロインみたいなセリフから、俺と蒼月水悠の物語はスタートした。
 常にツンツンしている蒼月さんはクラスでも浮いた存在。だけどある日を境に二人きりで話すようになって、冷たい言葉の裏に温かさが隠れていることを知っていく。本当は優しい子なのに、どうして彼女は誰にもデレないのか? それは、蒼月さんが抱える不思議な過去が関係していて……。
 ——これは自分を偽る少年少女が、好きな人に「デレる」までの、恋のお話。

書影・書誌情報・あらすじは版元ドットコム様より引用

感想

 個人的おすすめ度:★★★★★ 

 

 今回は、電撃文庫1月新刊より、『絶対にデレてはいけないツンデレ』のご紹介です!

 当初はタイトルと表紙に惹かれて、ツンデレヒロインがでてくるラブコメ作品なんだなぁと気軽な気持ちで購入した本作なのですが……

 

 ——読んでいくと、主人公の夜船くんとブログ管理人である私の考え方があまりに似通っていて、まるで自分の人生を追っているかのような気がしてしまって、本当に鳥肌がたちました……。

 

 ここまで、私の考え方に似た主人公のライトノベルにこれまで出会ったことがなかったので、共感することは必然として、息苦しい境遇にいる主人公とヒロインの思いにはどこか自分に投影しているようで深々と心に文章の一字一句が突き刺さりました。

 それだけ、著者の神田先生の描くキャラクターの心情描写が丁寧であり、どこか美しささえも感じてしまう美麗な文章にはただただ脱帽するばかりです。

 今回の作品を通じて、神田先生のファンになりました。必ず前作の小説も後日購入させていただきます。

 

 ——話が若干逸れましたが、本作のご紹介をしたいと思います。

 

 本作は、普段は本当の自分を隠して他人の行動に合わせてリア充(?)を演じる主人公の夜船くんと、常に他人と関わることを避け続け、本音をだそうとしない少女・蒼月さんの二人が繰り広げる、互いに不器用で訳ありな関係性を描いたラブコメ作品となっております。

 夜船くんは、普段はクラスの主要メンバーからハブられないよう常に周囲の様子を伺いながら行動するような、いわゆる他人の意見に流されて行動をするタイプの人間です。

 本当は自分の意見もあって、みんなに知られたくないような趣味もあって、でもそれを隠して自分を押し殺してまで良好な関係性を築こうとする——そんな無理をし続けている少年でした。

 そんな息苦しい学校生活をおくる彼が出会ったのは、自分の素性を一切みせようとしない寡黙な少女、蒼月さんでした。

 

 そんな自分を見せない彼女と夜船くんはとある出会いから話すようになり、話していく中で、互いが持っている悩みや、本当の彼・彼女の思い、本心を知っていきます。

 そして、物語が進む中で、蒼月さんが誰にも心を開こうとせず嫌ってばかりいる(デレない)本当の理由を夜船くんは知ります。

 お互いにどこか似た関係性であり、互いに心を少しずつ開いていこうとするその流れに、この作品の良さであり美しさが秘められていると思います。

 

 本心を隠し続けて本当の自分とは何か迷走する主人公と、とある理由で本音を言うことができない。二人の不器用同士な関係で紡がれる物語には、見入ってしまうこと間違いなしでしょう。

 学生生活ならではの息苦しさに加えて、ファンタジー要素を織り交ぜた心に深く突き刺さるラブコメが、こちらの作品の魅力です。

まとめ

 タイトルからは想像もできないような、リアルで心に突き刺さるストーリーが展開される作品でした。

 ただのラブコメだと思って読んだら後ろから深々と包丁を突き刺された気分です()

 今現在学生をしている人も、もうすでに卒業してしまった社会人の人にも、自分を押し殺して生きていた経験がある人にとっては突き刺さる、そんな作品になっています。

 もしこの紹介記事を読んでくれている方の中で、私のように上のような経験がある人にとっては、きっと主人公の夜船くんの考え方に共感することでしょう。

 そして、最近は少なくなりましたツンデレヒロインが活躍するラブコメが読みたい! という方にもお勧めできる作品です!

 もっと多くの人にこの作品を通じて共感して欲しい。筆者の思いが届いて欲しい。

 そんな紹介記事になれたら、私もこの紹介記事を書いてよかったと本当に思います。

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